中國(guó)では、行政特區(qū)はまた特別行政區(qū)とも呼ばれ、「一國(guó)二制度」の思想の導(dǎo)きの下で、憲法に基づいて、香港や澳門（マカオ）、臺(tái)灣問(wèn)題を合理的に解決するために設(shè)置された中央人民政府直轄の特別行政地域となっている。行政特區(qū)は高度の自治を?qū)g行する。中國(guó)の他の地方行政地域が実行している基本的な社會(huì)制度と違い、長(zhǎng)期間依然として資本主義制度を保ち続ける。

香港は1997年7月1日に祖國(guó)に復(fù)帰し、行政特區(qū)となった。澳門も1999年12月20日に中國(guó)のいま一つの行政特區(qū)となった。臺(tái)灣も「一國(guó)二制度」を通じて、最終的には中國(guó)の行政特區(qū)になるものと見られている。

ここで述べる行政特區(qū)の立法は、香港特別區(qū)の立法のみを指すものである。

香港特別區(qū)の立法は中國(guó)の他の地域の立法と比べると、だいぶ違っている。その主な特徴は高度な自治の実行にある。この特徴は以下に述べる香港特別區(qū)の立法制度によって充分に具現(xiàn)されている。

（一） 香港特別行政區(qū)の立法機(jī)関

香港特別行政區(qū)の立法主體は立法機(jī)関、他の地方では権力機(jī)関と呼ばれている。

香港特別行政區(qū)の立法機(jī)関は香港特別行政區(qū)の立法會(huì)である。立法會(huì)は主に外國(guó)の居留権を持たない香港特別區(qū)の永久公民の中の中國(guó)公民によって構(gòu)成される。非中國(guó)籍の香港特別行政區(qū)の永久住民や、外國(guó)の居留権をもつ香港特別行政區(qū)の永久住民も立法會(huì)の議員に選出されることができる。ただ、立法會(huì)の全議員の20%以內(nèi)に制限される。

立法會(huì)は選挙によって生まれる。その方法は『香港特別行政區(qū)基本法』の付屬文書である『香港特別行政區(qū)立法會(huì)の選出方法と表決の順序』によって規(guī)定される。この付屬文書は次のような原則を具現(xiàn)している。立法會(huì)の選出方法は、香港特別行政區(qū)の実際の情況や、順序にしたがって漸進(jìn)的原則によって規(guī)定され、全議員が普通選挙で選出されるという目標(biāo)を最終的に達(dá)成する。

立法會(huì)は第一期の任期が2年で、その後毎期の任期は4年となる。行政長(zhǎng)官が『香港特別行政區(qū)基本法』の規(guī)定にしたがって立法會(huì)を解散する場(chǎng)合、3カ月以內(nèi)に基本法に基づいて立法會(huì)を選出しなければならない。立法會(huì)の主席は立法會(huì)の議員が全議員の中から選出する。満40歳で、香港で連続20年間居住し、しかも外國(guó)の居留権を持たない香港特別行政區(qū)の永久住民の中の中國(guó)公民に擔(dān)當(dāng)してもらう。

（二）香港特別行政區(qū)の立法権

香港特別行政區(qū)の立法権は全人代が特別行政區(qū)基本法の形によって専門的に授権する。香港特別行政區(qū)が立法権を享有することは、『香港特別行政區(qū)基本法』によって明確に規(guī)定され、中國(guó)の他の地方の立法権はこのような方式で取得されることはない。

香港特別行政區(qū)の立法権は立法會(huì)によって行使される。『香港特別行政區(qū)基本法』第73條の規(guī)定によって、立法會(huì)の権限は次のとおりである。（1）法律にしたがって法律を制定、改正、廃止する（2）政府の提案に基いて、財(cái)政予算を?qū)彇恕Q定する（3）稅収と公共支出を批準(zhǔn)する（4）行政長(zhǎng)官の政策実施報(bào)告を聴取して討議する（5）政府の仕事に対して質(zhì)問(wèn)をおこなう（6）公共利益に関するいかなる問(wèn)題について討議する（7）最終裁判所の裁判官と高等裁判所の首席裁判官の任免に同意する（8）香港住民の提訴を受理?処理する（9）行政長(zhǎng)官にゆゆしい違法や汚職行為があって辭職しない場(chǎng)合、弾劾案を提出して中央政府の決定をあおぐ（10）以上の諸権限を行使する際、必要があれば、関係のある人士を証人として召喚し、証拠を提供してもらうことができる。

香港特別行政區(qū)立法會(huì)の権限に関する基本法の規(guī)定は、立法會(huì)の立法権と立法範(fàn)囲の規(guī)定を含むものと理解することができる。（一）形式の面では、香港特別行政區(qū)の立法會(huì)は法律を制定、改正、廃止する権限がある。他の地方立法は、地方的な法規(guī)や規(guī)則を制定することはできるが、法律の制定、改正、廃止はできない。（二）內(nèi)容の面では、立法會(huì)の権限範(fàn)囲はその立法権限の範(fàn)囲として理解することができる。立法會(huì)は立法の方式を通じてこれらの権限を行使する必要のある場(chǎng)合、これらの権限を行使する際に関連する必要のある事項(xiàng)について立法することができる。

そのほかにまた、『香港特別行政區(qū)の基本法』に関係のある條文は、特別行政區(qū)が具體的な事項(xiàng)について立法権をもつことを明確に規(guī)定している。例えば、基本法の第23條の規(guī)定によると、香港特別行政區(qū)は自ら立法して、國(guó)を裏切る、國(guó)を分裂させる、反亂を扇動(dòng)し、中央人民政府を転覆し、國(guó)家の秘密を竊取するいかなる行為を禁止し、外國(guó)の政治組織?団體の香港特別行政區(qū)での政治活動(dòng)を禁止し、特別行政區(qū)の政治組織?団體が外國(guó)の政治組織?団體と結(jié)びつくことを禁止すべきである。また、基本法の第24～42條の規(guī)定によると、香港特別行政區(qū)は香港住民の基本的権利と義務(wù)に関する一連の事項(xiàng)について立法する権限がある。

（三）香港特別行政區(qū)の立法順序

香港特別行政區(qū)の立法順序は次のような制度を含む。

1、提案。提案権は香港特別行政區(qū)の政府と立法會(huì)の議員によって行使する。法案は『香港特別行政區(qū)の基本法』の規(guī)定にしたがって、法律に規(guī)定される順序によって提出する。政府は法案、議案、付屬法規(guī)を起草して提出する権限を行使する。公共支出や政治體制、政府の運(yùn)営にかかわることのない事項(xiàng)は、立法會(huì)の議員個(gè)人あるいは連名で提出する。政府の政策にかかわる事項(xiàng)は、提出する前に行政長(zhǎng)官の書面での同意を得る必要がある。政府に提出される法案は優(yōu)先的に議事日程に組み込まなければならない。

2、審議。法案は立法會(huì)によって審議される。立法會(huì)の主席が立法會(huì)會(huì)議を主宰し、審議の議事日程と會(huì)議の期日を決定、閉會(huì)の期間には緊急會(huì)議を開くことができる。立法會(huì)が會(huì)議を開く法定人數(shù)は全議員の１/2を超えるものでなければならない。立法會(huì)の議員の立法會(huì)會(huì)議での発言は法律によって追究されることはなく、會(huì)議に出席中や會(huì)議に向かう途中で逮捕されることはない。

3、表決。政府が提出する法案は、會(huì)議に出席する全議員の過(guò)半數(shù)の投票を獲得すれば、採(cǎi)択されることになる。立法會(huì)の議員個(gè)人が提出する法案や政府の法案に対する修正案は、機(jī)能団體に選出された議員、區(qū)域別に直接選出され、選挙委員會(huì)に選出された議員それぞれ過(guò)半數(shù)の同意が必要である。

4、香港特別行政區(qū)立法會(huì)によって採(cǎi)択される法案は、行政長(zhǎng)官が署名?公表しなければ発効できない。

（四）香港特別行政區(qū)の立法監(jiān)督

香港特別行政區(qū)の立法監(jiān)督制度は2種類の制度から構(gòu)成される。

1、 中央の立法監(jiān)督を受ける制度。香港特別行政區(qū)の立法は高度の自治権を持つ地方立法であるにもかかわらず、中國(guó)の立法體制全體の重要な構(gòu)成部分であり、中央の立法と密接な関係を持っており、中央の立法監(jiān)督を受ける。『香港特別行政區(qū)の基本法』によって、この監(jiān)督制度は主に次のような內(nèi)容を含む。

（1） 特別行政區(qū)の立法機(jī)関が制定するいかなる法律も、全人代が制定する『香港特別行政區(qū)の基本法』と食い違ってはならず、全人代常務(wù)委員會(huì)に報(bào)告して記録にとどめる必要がある。ただ、常務(wù)委員會(huì)の記録にとどめることは法律の発効に影響するものではない。

（2） 全人代常務(wù)委員會(huì)がそれに所屬する香港特別行政區(qū)基本法委員會(huì)の意見を求めてから、特別行政區(qū)によって制定される法律は中央管理の事務(wù)や、中央と特別行政區(qū)の関係に関する基本法の項(xiàng)目に合わないと認(rèn)定される場(chǎng)合、その法律を修正することなく、差し戻すことができる。差し戻される法律はただちに失効する。この法律の失効は、特別行政區(qū)の法律に特別に規(guī)定されていない場(chǎng)合、追究することはできない。

2、 香港特別行政區(qū)內(nèi)部の立法監(jiān)督制度。香港特別行政區(qū)は立法、行政、司法など三つの権力が分立して制約しあう制度を?qū)g行している。行政と司法の制約によって形成される立法監(jiān)督制度から言えば、その主な內(nèi)容は基本法の規(guī)定によって次のような制度を含む。

（1） 香港特別行政區(qū)の立法機(jī)関が採(cǎi)択する法案は、行政長(zhǎng)官の署名が必要で、行政長(zhǎng)官が法律として公布しなければならない。（2）行政長(zhǎng)官は立法會(huì)に採(cǎi)択される法案が香港特別行政區(qū)の全體の利益に合わないと認(rèn)定した場(chǎng)合、3カ月以內(nèi)にその法案を立法會(huì)に差し戻して再審議してもらう。立法會(huì)が全議員の2/3の多數(shù)でもとの法案を再び採(cǎi)択するなら、行政長(zhǎng)官は1カ月以內(nèi)に署名して公布しなければならない。行政長(zhǎng)官が立法會(huì)に再び採(cǎi)択された法案に署名することを拒否した場(chǎng)合、あるいは立法會(huì)が政府に提出される重要な法案の採(cǎi)択を拒否した場(chǎng)合、協(xié)議しても意見が一致できないならば、行政長(zhǎng)官は立法會(huì)を解散することができる。行政長(zhǎng)官が立法會(huì)を解散する前に、行政會(huì)議の意見を聴取する必要がある。行政長(zhǎng)官は一回の任期內(nèi)において、立法會(huì)を一回しか解散することができない。（3）行政長(zhǎng)官が立法會(huì)に採(cǎi)択された法案に署名することを二回拒否して立法會(huì)を解散させ、新たに選出された立法會(huì)が依然として2/3の多數(shù)で論爭(zhēng)になったもとの法案を採(cǎi)択したものの、行政長(zhǎng)官が依然として署名することを拒否した場(chǎng)合、あるいは行政長(zhǎng)官が立法會(huì)が重要な法案の採(cǎi)択を拒否した理由で立法會(huì)を解散させ、新たに選出された立法會(huì)が論爭(zhēng)になったもとの法案の採(cǎi)択を拒否し続けた場(chǎng)合、行政長(zhǎng)官は辭任しなければならない。（4）政府は立法會(huì)に列席し、しかも政府を代表して発言する役人を派遣する権限がある。（5）政府は法律を守り、立法會(huì)に対して責(zé)任を負(fù)わなければならない。（6）立法會(huì)が行政長(zhǎng)官によって解散される場(chǎng)合、3カ月以內(nèi)に新たに選出されなければならない。