およそ10年前、中國政府は初めて「中米貿(mào)易均衡問題に関する白書」を発表した。1996年當(dāng)時(shí)、中米両國間の貿(mào)易総額は428億4千萬ドルに達(dá)し、貿(mào)易は両國関係に影響を與える重要問題になり始めていた。中國政府が白書を発表したのは、中米貿(mào)易には相互補(bǔ)完面の方が多く、両國経済の発展を必ず促すことを説明するためだった。
10年が経過した。ポールソン財(cái)務(wù)長官を筆頭に多數(shù)の閣僚で構(gòu)成される「豪華級」代表団が、北京で中米戦略経済対話の初會(huì)合に出席する今日、両國間の貿(mào)易総額はすでに2116億3千萬元（2005年）に達(dá)している。米國は、中國の対米輸出の増加によって経済的実力を削がれたわけでは、決してない。中國の発展が米國経済に多くの利益をもたらし、その経済構(gòu)造の効果的な調(diào)整を促したことは事実が証明している。
10年來の両國の経済貿(mào)易関係は、2つの重要な変化も意味している。第1に、両國関係がさらに緊密化した。太平洋のこちら岸で何を生産し、何を消費(fèi)し、さらにはどれほどの衣料や日用品、自動(dòng)車を買うかのすべてが、対岸に影響を與える。まさしく「あなたの中にわたしがいて、わたしの中にあなたがいる」関係だ。第2に、中米貿(mào)易の発展は両國にとって有益なばかりか、世界経済にも多大な貢獻(xiàn)を果たした。両國はすでに世界経済の成長をけん引する2つのエンジンとなっており、この2大経済體は過去5年間に、世界のGDP成長の半分以上を創(chuàng)造した。この2つの変化は、両國間の戦略経済対話の発足が十分に必要なものであり、また十分な條件を備えていることを物語っている。
戦略は深度を意味する。両國の多くの學(xué)者は、両國間の長年來の多くの問題は、その多くが誤解と疑念に端を発するものであり、対話枠組の発足は相互の意思疎通と理解の強(qiáng)化にプラスになると考えている。また、戦略対話とは、深く遠(yuǎn)くまで屆く目によって、両國関係をつぶさに見るものだ。ポールソン財(cái)務(wù)長官は少し前に「米國は『世々代々』の戦略的視點(diǎn)によって米中関係を取り扱う必要がある」と明言した。この見解は、中米関係に対する中國の長年來の立場とも符合するものだ。
戦略は高度も意味する。近年來、両國の経済貿(mào)易交流が生んだいくつかの対立と摩擦は、両國間の局部的な問題から、全世界的な影響を持つ問題へと転換を始めている。米國は世界最大の先進(jìn)國であり、最も経済的活力に富んだ先進(jìn)國でもある。中國は世界最大の発展途上國であり、経済成長の最も急速な國の1つでもある。経済のグローバル化が深いレベルで進(jìn)んだ今日、両國経済が全世界に與える影響は増加の一途をたどっている。したがって、全世界的な視野で両國間の経済貿(mào)易関係に対処してこそ、摩擦を効果的に減らし合理的な出口を見出すことができる。両國間の摩擦が小さければ、世界経済が受ける利益もそれだけ大きくなる。これこそが、間もなく開催される中米戦略経済対話の意義であり、また今回の対話が全世界から広く注視される原因でもあるのだ。
現(xiàn)在の両國の態(tài)度表明から見て、米國側(cè)の最大の関心は、人民元の為替レート、知的財(cái)産権の保護(hù)、市場開放の3つだ。一方、中國側(cè)の最大の関心は、米國內(nèi)における保護(hù)貿(mào)易主義の臺頭、経済貿(mào)易摩擦の政治化などの問題だ。実際には、これらの問題は現(xiàn)在の世界の政治や経済構(gòu)造と密接な関係にあり、両國間の貿(mào)易問題は根本的に言えば世界経済の不均衡の問題でもあり、これらの問題の解決には、両國の長期的な努力と共に、多國間の協(xié)力と調(diào)整が必要だ。
中米関係において経済貿(mào)易関係はきわめて重要な位置を占めており、経済貿(mào)易問題に関する戦略協(xié)議の強(qiáng)化は、経済貿(mào)易摩擦の解決にプラスなだけでなく、両國関係の安定した発展にも堅(jiān)固な基盤を打ち立てることになり、世界経済の成長?安定?安全に対し、積極的で、はかりしれない影響をもたらすことだろう。
「人民網(wǎng)日本語版」2006年12月14日
