このほど、遼寧省南西部の海浜都市葫蘆島市で日本居留民送還60周年を記念するイベントが盛大裏に行われた。葫蘆島在留日本人100萬(wàn)人送還60周年回顧?中日関係展望フォーラムの演壇での一人のお年寄りのスピーチは會(huì)場(chǎng)の人たちの心を打つものであった。
このお年寄りの名前は王黎と言い、父親はかつて張學(xué)良將軍の秘書を務(wù)め、親子二人は抗日戦爭(zhēng)の頃に日本人によって投獄され、父親は1944年に日本の憲兵に殺され、自分は1945年8月15日の日本の敗戦まで日本軍の監(jiān)獄でつながれていた。1946年7月、上級(jí)の指名で、日本居留民及び捕虜管理所錦西（現(xiàn)在の葫蘆島）分所の所長(zhǎng)代理となった。當(dāng)時(shí)の中國(guó)人の生活は非常に貧しく、腹いっぱい食べることさえもなかなか困難であった。それでも、日本人を送還するために大量の食料と燃料、醫(yī)薬品などを準(zhǔn)備してあげていた。乗船を待つための収容キャンプでの日本人は食べるものや飲むものがたっぷりあり、學(xué)校や商店、仮設(shè)の病院などの生活施設(shè)もよくそろい、産婦人科の醫(yī)師もいた。送還を待っていた期間にも、120人の赤ちゃんが葫蘆島で生まれ、生活の安全は充分に確保されていた。これらのことを目にしながら、日本人に略?shī)Zされ、苦しめられ、殺された中國(guó)の人々、自分の父親のことを思い出し、胸がいっぱいだった。
中華民族の寛大で慈悲深い伝統(tǒng)を受け継ぎ、祖國(guó)と家族の恨みを心の底に抑え込み、公務(wù)員としての職責(zé)を全うし、無(wú)事に日本に帰れるよう、居留民たちの抱える困難をいろいろと解決してあげ、親切にしてあげた。居留民たちの多くは葫蘆島を離れる際、別れを惜しんで涙ぐんだり、慟哭した場(chǎng)面が今も目に浮かぶようである。
60年の歳月が経った今、世界は変わり中國(guó)も変わった。當(dāng)時(shí)の日本居留民、戦爭(zhēng)を経験した中國(guó)人、平和を愛(ài)する両國(guó)のすべての人々は今日の友情を大切にしなければならない、と彼は心をこめてねんごろに語(yǔ)った。
王黎さんは中日友好の事業(yè)を次の世代へと永遠(yuǎn)に続けていこうと思い、自分の娘さんに平和を象徴する中國(guó)の伝統(tǒng)絵畫を書かせ、フォーラムで村山元首相に贈(zèng)呈し、友好への願(yuàn)いを伝えた。
フォーラムの會(huì)場(chǎng)で、もう一人の日本のお年寄りが皆の目をひきつけた。このお年寄りは數(shù)十年前の中國(guó)人民解放軍の軍服を身につけ、功績(jī)を示すバッジを胸にいっぱいつけていた。
このお年寄りは幅敬信といい、かつて中國(guó)人民解放軍第四野戦軍に參加し、一兵士から小隊(duì)長(zhǎng)、中國(guó)では幹部という身分を持つ者へと昇進(jìn)した。17歳の時(shí)、ハルビンあたりに來(lái)て農(nóng)業(yè)に従事していたが、1946年に従軍し、中國(guó)共産黨の指導(dǎo)下の新中國(guó)の解放戦爭(zhēng)に參加した。軍隊(duì)と一緒に中國(guó)の最も北にある黒竜江省から一番南の広東省まで転戦し、1958年に日本に帰った。
日本人だから、軍隊(duì)の中でいじめや差別を受けたことはないかと聞いたら、最初は融け込まなかったが、自分の知っていることを進(jìn)んで中國(guó)人の戦友に教え、勇敢に戦ったことで功績(jī)を立て、だんだん周りの人たちに親しく受け入れられるようになった、とこのお年寄りは中國(guó)の東北弁交じりの中國(guó)語(yǔ)で記者に話してくれた。
若い世代に一番期待していることをたずねると、お年寄りは真顔になって、決して戦爭(zhēng)をしてはなりません。日本人も中國(guó)人も同じ人間で、お互いに戦ってはなりません。平和は何よりも大切で、永遠(yuǎn)に平和を維持し、戦爭(zhēng)には反対です、と慎重に言った。
上記の二人のお年寄りはともに80歳を超える人たちであった。彼らは自らの體験をもって過(guò)去の戦爭(zhēng)、戦爭(zhēng)の殘忍について語(yǔ)り、私たち若い世代に素樸で切なる願(yuàn)いを託し、平和の尊さについて語(yǔ)ってくれた。二人のお年寄りは両國(guó)人民の友好往來(lái)を生涯の事業(yè)とし、高齢にもかかわらずずっと奔走しつづけている。
私の心の底から、この二人のお年寄りに対する尊敬の気持ちが湧き起り、両國(guó)の友好往來(lái)のために奔走している中日両國(guó)のさらに多くの友好的なお年寄りたちのご健勝を祈りつづけるのである。
「チャイナネット」2006/06/29
