戦爭(zhēng)は人々に苦痛をもたらし、平和を愛する人々に深く考えさせる。今年は世界反ファシスト戦爭(zhēng)勝利60周年に當(dāng)たる。日本でも、戦爭(zhēng)の殘酷さを回顧し、平和の貴さを強(qiáng)調(diào)する、反戦をテーマにした作品がいくつか生みだされいる。一部の作品は、日本の軍國主義の犯罪行為に焦點(diǎn)を當(dāng)て、勇敢に過去と直面し、戦爭(zhēng)を告発している。日本の映畫監(jiān)督、海南友子氏（33）もこうした作品を模索する日本人だ。

海南監(jiān)督は3月、舊日本軍による遺棄化學(xué)兵器の被害を受けた中國人を描くドキュメンタリー映畫「にがい涙の大地から」を、日本?東京の日中友好會(huì)館で上映している。約1カ月、1日5回前後上映される予定だ。

取材で日中友好會(huì)館を訪れたところ、日本の大手新聞が海南監(jiān)督とその作品を報(bào)道した記事の切り抜きが會(huì)場(chǎng)入り口に貼ってあるのが見えた。監(jiān)督本人は入り口で、來場(chǎng)者が書き殘したメッセージを整理していた。來場(chǎng)者は20以下から80歳以上までさまざま。メッセージの內(nèi)容は次の3つに集約できるという。

「映畫を見て非常に驚いた。はるか昔の戦爭(zhēng)が、まさか現(xiàn)在もまだ中國人に災(zāi)いをもたらしているとは考えたこともなかった。日本の軍國主義が犯した犯罪行為を改めて認(rèn)識(shí)した」

「映畫はすばらしい出來映えだ。私も今後反戦運(yùn)動(dòng)に積極的に參加して、世界の平和を守るため力を盡くしたい」

「中國に行って同様の調(diào)査を行いたい。また、映畫に登場(chǎng)した被害者を支援する方法を探したい」

海南監(jiān)督にとって、同作品への日本人の注目が高まりつつあることが、最高の「ごほうび」という。

同作品は完全なドキュメンタリー構(gòu)成で、登場(chǎng)する主人公4人はいずれも舊日本軍が殘した毒ガス兵器の被害者やその遺族だ。主人公は▽舊日本軍が殘した砲弾により事故死した父親のために対日訴訟を起こす女性▽毒ガスを吸い込んだために17年間、晝夜を問わず咳の発作に苦しむ醫(yī)師▽毎日50～60錠の薬を飲むことでようやく生命を維持している男性▽砲弾の爆発で身體に障害が殘った農(nóng)家の跡取りーーの4人。約90分のフィルムには、被害者のつらい生活、日本での訴訟の様子が収められ、一部の歴史資料も盛り込まれている。

海南監(jiān)督が同作品を撮影した直接のきっかけは、2003年に黒龍江省斉斉哈爾(チチハル)市で起きた、舊日本軍による遺棄兵器の毒ガス漏洩事件だ。事件が明らかになった後、海南監(jiān)督は単身で中國東北地方を訪れ、調(diào)査を行った。現(xiàn)地で、同事件以前にも多くの中國人が遺棄化學(xué)兵器で負(fù)傷していたことを知り、海南監(jiān)督は同作品の制作を決心した。海南監(jiān)督は2004年2～3月、黒龍江省の5つの地域で被害者60人あまりを訪問し、最終的にこの4人の體験を映畫にした。

海南監(jiān)督は大學(xué)でアジア史を?qū)煿イ贰⒆錁I(yè)後にNHK（日本放送協(xié)會(huì)）で報(bào)道ディレクターを7年間務(wù)めた。2000年に退職して獨(dú)立し、ドキュメンタリー映畫の制作を続けている。2001年に発表した第1作では、日本の侵略戦爭(zhēng)の中で「従軍慰安婦」になることを強(qiáng)いられたインドネシア人女性の悲慘な人生を描いた。2004年5月には、第2作となる「にがい涙の大地から」を発表。海南監(jiān)督は今後もドキュメンタリー映畫を撮り続けるつもりだという。

「人民網(wǎng)日本語版」2005年3月31日